2022.10.21
レビュー
当サイトは古本を中心に販売しているサイトではありますが、書籍の他にもCDなども取り扱っております。
そんなCD商品より今回紹介させていただく商品がこちら。
「Jascha Heifetz: the Complete Album Collection 2011年 Sony Classics」
です。
「ヤッシャ・ハイフェッツ」、皆様ご存じでしょうか?ヴァイオリンを演奏される方や、クラッシックがお好きな方には超有名なのではないでしょうか?
20世紀を代表するヴァイオリニストであり、「ヴァイオリニストの王」、「ヴァイオリン界の帝王」、ともいわれる方です。どれをとっても賛辞の嵐です。また高知能者ギフテッドであったことが指摘されています。
と、いいつつ実はあまり彼について詳しいわけではなかったので、もう少し情報がないものか・・・と考えていると、ありました!目の前に音楽雑誌が!!さすがは古本屋です。(笑)
1990年代の音楽雑誌に記事を見つけました。素晴らしさがひしひしと伝わってくる記事だったので、簡単ですが、人物についてピックアップしてご紹介したいと思います。
ヤッシャ・ハイフェッツ(1901-1987) ロシアのヴェルナで生まれ、3歳からヴァイオリンをはじめ、1911年同地でデビューしています。ベルリン・フィルと共演、ノルウェー王室のために演奏会を行い、カーネギーホールにデビュー。晩年は南カリフォルニア大学の教授に就任し、後進の指揮にあたる等華々しく活躍されています。ロシアで生まれましたが、25年にはアメリカの市民権を得ています。
「ヴァイオリニストを志す人は、一度はハイフェッツを夢見る。」「ハイフェッツは多くの人にヴァイオリニストを志す夢を与えたが、一方では多くのヴァイオリニストに挫折感を与えた。」とあります。また、世界的ヴァイオリニストのクライスラーが初めてハイフェッツの演奏を聴いたとき同じくヴァイオリニストのジンバリストに「君も僕も、ヴァイオリンを膝に打ち付けてぶっこわしたほうがよさそうだな」と語ったそうです。さすが帝王です。「今日のヴァイオリンの演奏水準を考える時、彼は優れたヴァイオリニストを輩出している現在の隆盛を導いたといえよう」とも書かれています。ただ、残念なことに生前は日本人の間では理解が浅く評価されないという一面もあったそうです。まだまだ彼の才能についての逸話は書ききれないほどです。興味のある方はぜひ調べてみてください。
ではCDについて。まずは箱ですが、すでに御覧いただいたように↑お洒落です。
そしてジャケットはカラフルで美しく小さな美術館のようです。ハイフェッツエの美しい立ち姿などドキドキします。レーベル面はLP版、ビクターの代名詞である犬と蓄音機のロゴがプリントされています。子供の頃はまだレコードだったので懐かしいです。
2011年に発売されたもので、CD103枚+DVD1枚+ハードカバー本が入ったコンプリート版で、1917年のカーネギーホールデビューから数日後の最初のレコーディングから、1972年10月の最後の公開リサイタルまで、55年間に及ぶ彼の全キャリアが凝縮されています。CD NO101-103には,協奏曲、ソナタ、室内楽の1934年から1964年までの未発表の録音が含まれています。
まず、103枚にも及ぶCDについて。特筆すべき点はいくつもあるのですが、箇条書きにすると
などが収録されています。
また、これらの録音は、RCAレッドシール、コロンビア・マスターワークス、ヴォックス・カム・ロードによってLPで最初に発行されたもので、ジャケットとレーベル面のプリントは、当時のものが再現されています。
そしてDVDですが、現存するほぼ唯一のカラーによるライヴ映像だそうです。引退する2年前にパリで撮影されています。リサイタル映像や録音風景、自宅でのレッスンの様子、卓球を楽しむ姿などのプライベート映像、肉声なども入っていて想像を掻き立てます。
最後に個人的感想ですが、圧巻でした。開眼ならぬ開聴というべきでしょうか?ヴァイオリンの音色を楽しむというのはまさにハイフェッツのためにあると言っても過言ではありません。コンプリートボックスだけあって55年間に思いを馳せながら楽しむことができました。
DVDもハイフェッツの魅力がふんだんに盛り込まれてぜひご覧いただきたい貴重なセットです。まだまだ魅力が書ききれませんが、ハイフェッツをあまりご存じない方も、音楽をやられている方もすべての方に一度聞いていただきたい作品です。
スタッフT
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