世界的に有名なナショナリズム研究の古典「想像の共同体」の著者であり、政治学東南アジア研究家のベネディクト・アンダーソン(1936年−2015年)によって書かれた回想録です。
回想録、自伝を著すことは学究文化にそぐわないと考えていた彼は、「メモワールのようなものを書いてほしい」という依頼に当初は乗り気ではありませんでした。
しかしながら、編集者の遠藤千穂氏と、アンダーソン氏の指導を受けた訳者の加藤氏に口説き落とされ、日本の若い研究者、大学生、大学院生の役に立つならばと発行に至りました。
そのため、本書は日本語限定の書籍となっています。
タイトル「ヤシガラ椀の外へ」はインドネシアやタイの諺「ヤシガラ椀の下のカエル」から題を得ています。若干のニュアンスの違いはあるものの、「井の中の蛙」に近い意味を持つ諺で、本書における「ヤシガラ椀」は主に大学制度や母語といったものを象徴しています。
研究者を目指す人々に「ヤシガラ椀の外へ」!と呼びかける著者アンダーソン氏の強いメッセージが込められています。
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▲2009年 NTT出版株式会社
▼ ベネディクト・アンダーソン著 加藤剛訳
▲ カバー:ヨレ少々
▲ 若干スレキズ等ありますが、使用感少なく概ね良好