「広告は社会を映す鏡」。
アド・ミュージアム東京の収蔵品から、消費社会の文化史ともいえる、広告の歴史を物語る資料を選定、取りまとめた本書。
第1部では、当時の屏風から既に見て取れる"看板"を始めとする、紙幅の制約の中で作られた江戸期の広告前史、明治〜昭和前期までの広告関連資料を分類して収録しています。
西洋の石版美術が導入されるなどの変化を経て呼ばれた"ポスター"の登場など、その変遷を作品とともに楽しめるものに。森永製菓による名横綱・双葉山のミルクキャラメルの起用など、話題性を呼ぶ革新的なポスターなども。
また、軍国色が強まる中で制作された時代のポスターも掲載。国民の士気高揚を目的としたものなど、当時の時代の様相が垣間見えたものになっています。
第2部では、"ミュージアムの眼"と称して、博覧会とテレビ・ラジオCMの発祥から今日までを解釈し、解説。時代のショーケースの役割を担う博覧会を謳った広告を見る事が出来ます。
大衆に向けて語りかける広告。そのメッセージとは何かを紐解く一冊。
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[2005年 財団法人 吉田秀雄記念事業財団]
▼ 裏表紙:角に小剥がれ少々
▼ 全体的に若干使用感・スレキズ・薄ヤケ少々・薄汚れ少々